楽天・松井裕、V呼ぶイニングまたぎ タカと再び1・5差
「日本ハム1-2楽天」(24日、札幌ドーム)
気迫をみなぎらせ、2イニングをしのぎ切った。同点の九回から今季3度目のイニングまたぎ。絶対的クローザーとしての誇りをにじませた熱投が勝利を呼び込み、楽天・松井裕樹投手(21)は3勝目をマークした。
延長十回2死一、二塁。代打・矢野を打席に迎えると、ネクストバッターズサークルには大谷が控えていた。「すごい歓声がありましたね。翔平さんに回したら大変なことになると思った」。目の前の打者にすべての力を注ぎ、147キロの直球で空を切らせた。
この矢野の打席の前、2死二塁でレアードを四球で歩かせた。矢野との勝負を選択したのは、長打力を警戒したチームの作戦だった。「勝つための最善の策。矢野さんとの勝負を選択したことが正しかった」と振り返った左腕だが、本当はレアードと勝負したいという気持ちもあった。
降板後、梨田監督は、そんな守護神の自尊心を思いやり声を掛けた。「プライドは高くて当たり前」と指揮官。若き左腕の自負はしっかり伝わっていた。
2位ソフトバンクが敗れ、その差は再び1・5。梨田監督は「徳俵で踏ん張って、よくしのいでくれた」と価値ある勝利を称えた。