オリックス小島、プロ初弾でV呼んだ TV観戦の息子「パパいないね」で奮起
「オリックス2-1ロッテ」(24日、ほっともっとフィールド神戸)
いつもは封印しているフルスイングをこのときばかりは解禁した。同点の八回2死。オリックス・小島脩平内野手(30)は大谷の145キロを振り抜き、右翼席に運ぶ決勝弾はプロ6年目での初本塁打。小さくガッツポーズでグラウンドを一周した。
試合後に予定されていた大花火大会を先取りする特大の一発。
「試合前に若月が“グラウンドでも大きい花火打ち上げましょう”と言っていたので打ててよかったです。本当にうれしいです」
「このままでは終わってしまう」と危機感を抱いたのは昨年の春季キャンプ。若手の台頭もあり、埋もれていく感覚に絶望的になった。そのとき、チームメートの糸井の打撃を見て心を決めた。
「嘉男さんみたいには打てない。もう本塁打はあきらめよう」
その日からひたすら反対方向に打ち返した。誰もいない室内練習場でマシンに向かった。その成果が昨季の自己最多79試合出場につながった。
今季は初の開幕スタメンを勝ち取ったが、その試合で右ふくらはぎを肉離れし離脱。「さすがにへこみました」。そんなとき5歳の息子がナイター中継を見ながら「パパいないね」とつぶやいた。言葉が突き刺さった。「レベルアップして戻る」と決めた。その努力がプロ初弾へとつながったと信じている。
福良監督は「本当に大きな1勝」と目を細めた。