報徳・西垣が2季連続甲子園に導く センバツ4強エース、聖地の借り聖地で返す
第99回全国高等学校野球選手権兵庫大会の抽選会が27日、明石市内で行われた。優勝候補の今春センバツ4強・報徳学園は、初戦で兵庫県大付-神戸学院大付の勝者と対戦することが決定。エース・西垣雅矢投手(3年)は、春に逃した日本一を宣言した。大会屈指の好投手、最速147キロ右腕・山本拓実投手(3年)を擁する市西宮は、姫路東-県伊丹の勝者との対戦が決まった。
聖地で味わった悔しさは、聖地で晴らす。西垣が報徳学園を2季連続の甲子園出場へ導く決意を示した。
「大角監督からは『春に勝ったチームより、夏に勝ったチームの方が覚えられている』とよく言われる。僕も夏に勝ってこそ、だと思う」
今春センバツは2回戦・前橋育英(群馬)で完封勝利。4強進出の原動力となったが、達成感よりも悔しさの方が大きかった。
準々決勝・福岡大大濠戦以降はフォームを崩し、準決勝・履正社戦は2回1/3、2失点で降板。まだ細身で体幹が弱く、連戦に耐えられる体力がついていなかった。
「履正社戦は体は痛くないのに、思い通りに投げられなくて。挑戦者という気持ちで臨まないといけなかったのに、自分と勝負してしまった」。不完全燃焼のまま、聖地を去ったあの日の思いは忘れていない。
センバツ後は再度、体力強化に専念した。練習試合では土曜日に完投し、日曜日も5、6回を投げてスタミナをつけた。
チームも5月最終週から2週間を強化練習期間に充てて、グラウンドコートを着てノックを受けるなどしてきた。「去年より、僕もチーム全体としても体力がついていると思う」と自信を見せる。
西垣にとっては高校生活で、最初で最後の夏となる。1年夏はベンチ外。昨夏はウイルス感染からの退院明けで、スタンドからビデオを撮影していた。
未体験の戦いとなるが不安はない。「夏は絶対、しんどいと思う。でも、兵庫で1位を取って、全国でも1位を取りたい」。きっぱりと言い切る姿には、伝統校のエースとしての貫禄が漂っている。