名将・上田利治さん死去 肝臓がん、パーキンソン病…09年から病魔との闘い
阪急、オリックス、日本ハムで監督を務めた上田利治さんが1日午前2時55分、川崎市内の病院で肺炎のため死去した。80歳だった。
上田さんはここ数年、病魔と闘い続けた。2009年に肝臓がんと診断され、手術を受けた。監督時代から早足での散歩を欠かさず、健康に気を配ってきただけにショックを受けたが、プロ野球歴代7位の1322勝を記録した闘将は「病気の方が逃げるくらい、徹底して闘わないと」と奮起。大好きなビールはもちろん、食事制限や精力的な治療で病に立ち向かった。
だが並行して、その前後に発症したパーキンソン病が上田さんを苦しめた。手足が震えたり、筋肉が硬くなったりする病気だが、上田さんの場合、のどに病状が集中。食べることがままならない状態となり、自分の唾液が気道に入るようなこともあったという。
その間に肝臓がんが再発したが、ほどなく治癒。「医者が『奇跡』と言うくらい、退治した」と、がんとの闘いには勝利した。この2年間は主にパーキンソン病との闘いだった。手足は最後まで不自由なく動かせたのだが、体の自由が利かず、転倒することも増えたため、15年春に無念の思いでプロ野球の評論活動から退いた。
今年4月3日に肺炎で入院。病状が収まってもすぐに再発する状態が続いた。1日午前2時55分、長い闘いから解放された上田さんは、最後は眠るように息を引き取ったという。