元虎戦士の佐野日大・麦倉監督、初戦突破 今年4月から母校監督
「高校野球栃木大会・1回戦、佐野日大7-0今市」(9日、栃木県総合運動公園)
元阪神投手の麦倉洋一監督(45)率いる佐野日大が、七回コールド勝ちで初戦を突破した。
元猛虎戦士が母校を復権に導く一歩を記した。快勝で飾った、将としての夏の初白星。麦倉監督は「僕の1勝はどうでもいい」と感慨は封印しつつ「彼らにとっては大事な1勝」と少し頬を緩めた。
89年夏の甲子園初出場時のエースで、阪神では通算2勝。引退後はスポーツ用品メーカーに20年勤務した。自身がプロへの扉を開いた夏の聖地から、10年以来遠ざかる母校の状況に「後輩にもいい思いをさせてやりたい」と今年4月から指導者に転身した。
対話を重視し、変化を恐れない。6月に当時主将だった中山貴史投手(3年)の意向を確認して任を解き、負担を減らした。この日2本の適時二塁打を放った新主将の金子有哉外野手(3年)は「僕らからポジション変更を提案したりします」と明かす。
新たに背番号1を託した191センチ右腕・原田大樹投手(3年)が5回0封と好投。積極的に1年生2人もスタメンで起用した。「前向きに何事にも挑戦」が信条という麦倉監督。「監督就任は自分の中でも挑戦。一戦一戦、勝っていきたい」と、かつての本拠地を目指す決意を示した。