星槎国際湘南・本田13K完封発進 プロ10球団来た!
「高校野球神奈川大会・2回戦、星槎6-0上矢部」(16日、サーティーフォー保土ケ谷)
神奈川大会では、今春県4強の星槎(せいさ)国際湘南が上矢部に快勝し、初戦を突破した。ドラフト候補右腕・本田仁海投手(3年)が13奪三振で3安打完封。10球団のスカウト陣の前で快投を見せた。沖縄大会では決勝が行われ、興南が美来工科に15-1で大勝し、全国のトップを切って甲子園への切符を手にした。
神奈川No.1右腕が、初戦で圧巻の奪三振ショーを繰り広げた。終盤にペースダウンしたものの、七回までは毎回の13K。本田は「初戦で力みがあったけど、抑えられたことはよかった」と穏やかな笑みを浮かべた。
初回先頭から2者連続三振を奪うと、2四球を挟んだ2死一、二塁から三回2死までは6者連続三振。自己最速タイの146キロを計測した直球と縦のスライダーがさえ、三回2死までは8つのアウトすべてが三振だった。
中学時代は無名。15年1月に就任した土屋恵三郎監督(63)との二人三脚で、体重も球速も約20キロアップを実現した。桐蔭学園では巨人・高橋監督らも指導した名将は「変わっている子。波長が違うけど、プロの投手もそう。生かしてあげたい」と資質を認める。
大会前の地元FM局のチーム紹介では「ラジオをお聞きのみなさん、こんにちは!」と切り出し、周囲を驚かせた。指揮官がパームボールを伝授しようとすると、抜く感覚を覚えてカーブを習得。一方で、寮の自室では就寝時に冷房をつけないなど、自己管理意識は高い。
女手一つで育ててくれた母・もえみさんには、試合前に「最後の夏、悔いの残らないように頑張れ」とLINEで激励された。「甲子園に出場するのが星槎の目標。自分が導けたらいい」と本田。恩師を、母を、仲間を、夢の聖地に連れて行く。