市西宮・山本15K完投!メジャースカウト絶賛「松坂みたい」
「高校野球兵庫大会・4回戦、市西宮6-2武庫荘総合」(21日、明石トーカロ球場)
兵庫大会では市西宮が2年連続の16強進出を決めた。プロ注目148キロ右腕の山本拓実投手(3年)が2失点完投。15三振を奪い、公式戦初本塁打も放った。投球を見たメジャー球団のスカウトは「高校時代の松坂みたい」と絶賛した。滋賀大会では県内屈指の進学校・彦根東が、今春センバツ出場の滋賀学園を破って8強入りした。
独壇場だった。山本が投打で観衆の視線をくぎ付けにした。
投球は初回からエンジン全開だった。「直球を狙われていると思ったので、変化球中心で組み立てた」。この日の最速147キロの直球にスライダーを交えて、八回以外は毎回三振を奪取。4者連続が1度、3者連続が1度。これまでの12三振を上回る自己最多の15三振を積み重ねた。
自ら作り出したリズムに乗って、三回2死二塁では左翼席へ2ラン。高校通算5本目で公式戦初本塁打に「打った瞬間は見えなかったんですけど…」。投球以外の話題になると表情を緩ませ、苦笑いで振り返った。
スタンドでは国内3球団とメジャー1球団が視察。初めて投球を見たブレーブス・大屋スカウトは「直球の質がいいし、伸びがある。20年前に見た松坂(現ソフトバンク)のような質の直球だね」と当時、怪物と騒がれた右腕を引き合いに出して評価。現時点で山本の進路は未定だが「大学や社会人を経たらドラフト1、2位候補」とまで話した。
周囲の注目度とは対照的に、山本は冷静に自分を見つめている。前回登板の自己評価は70点で、この試合も75点だった。「自分には厳しくいきたい。甲子園を目指しているので」。大会屈指の右腕に隙は見当たらない。