帝京が準々決勝敗退、6年ぶりの甲子園ならず 前田監督執念の“猛抗議”も
「高校野球東東京大会・準々決勝、東海大高輪台4-3帝京」(23日、神宮球場)
第1シードの帝京がサヨナラ負けし、6年ぶりの甲子園出場はならなかった。同点で迎えた七回守備で、微妙なタイミングの判定に対して前田監督が“猛抗議”する執念を見せたが、実らなかった。
初回に適時失策で先制を許すと、三回にも適時打を浴びて、2点のビハインドを背負った。
打線は相手先発の2年生左腕の前に、五回まで1安打。七回に田中麟太郎捕手(3年)の2試合連続本塁打となる右越え2ランで同点に追いついた。
直後の七回の守りで、試合を左右する場面が訪れる。1死一、三塁から遊ゴロに打ち取ったが、6-4-3と転送された一塁は微妙なタイミングでセーフの判定。前田監督はベンチを飛び出して「アウトだよ!モニター見てくださいよ!!」と猛然と異を唱えた。協議と確認のために6分間の中断があったが、判定は覆らず。併殺崩れの間に、痛い勝ち越し点を許した。
追い詰められた九回には、強力打線が意地を見せた。田中悠我内野手(2年)が右越えソロ。再び同点に追いついた。
だが、粘りも及ばなかった。延長十回に失策から走者を許すと、2年生右腕・松沢海渡投手がサヨナラ適時打を浴びて万事休した。
前田三夫監督は微妙な判定で勝ち越された場面について「あれはこっちから見たら完全にアウト」と断言。「いいゲームの中で、ああいうことがあっちゃいけない。ビデオを見てくれ、と。選手に悔いを残させたら、教育じゃない」と語気を強めた。
その後、同点として執念を見せたナインを「あれをはね返した。よく頑張ったと思う」称賛。それでも、失策がサヨナラの失点につながるなど勝利には結びつかず「(甲子園に)行けない時は、悪い循環に回るね」と肩を落とした。
春夏3度の全国制覇を誇る名門も、甲子園出場は11年夏が最後。これで東東京大会でも3年連続で決勝に進めなかった。