広陵、3年ぶり22度目の夏切符 イッキ6点呼んだ!中村、千金130メートル弾
「高校野球広島大会・決勝、広陵9-5広島新庄」(25日、マツダスタジアム)
決勝戦が行われ、広陵が3連覇を目指す広島新庄を下し、3年ぶり22度目、春夏合わせて45度目の甲子園出場を勝ち取った。0-0の四回にはプロ注目の中村奨成捕手(3年)が左翼席へ特大の先制ソロ。23日の準決勝から2戦連続となる一発が打線に勢いを呼び、この回打者一巡の猛攻で一挙6点を奪った。一丸野球で、連合チームを含め93校90チームの頂点に立った。
ウイニングボールを右手に握りしめ、勢いよくマウンドに走りだした。歓喜の輪の中心で涙をこぼした中村。「2年分の思いがこらえきれなかった」。先輩、チームメートの思いを背負い臨んだ最後の夏。今春の県大会決勝で敗れた広島新庄にリベンジを果たし、優勝旗をつかみ取った。
試合開始が降雨のため約1時間遅れ、三回の攻撃中にも雷雲接近と雨の影響で46分間中断。ベンチではナイン同士で「勝って絶対に甲子園に行くぞ」と声を掛け合い、気持ちを切らさなかった。
試合が動いたのは、両軍無得点で迎えた四回だ。先頭の中村が左翼席へ推定130メートルの特大先制ソロ。23日の準決勝・広島商戦に続く2試合連続となる高校通算38号で打線に火を付けた。打者一巡の猛攻でこの回一挙6点。先発の平元銀次郎投手(3年)を援護した。
七回には1点差まで迫られたが、九回に3点を追加。平元から左腕・山本雅也投手(3年)の継投策も実り、猛追を振り切った。中井哲之監督(55)は「最後の最後まで粘り強く戦ってくれた。中村の一発で勢いもついた」と3年ぶりの聖地へ導いてくれたナインを称えた。
1年からベンチ入りする中村。同年の秋からエース・平元と寮で同部屋となった。最初はお互いに気を使っていたが、徐々に打ち解け今では最高のパートナーだ。今大会期間中は緊張で寝ることができず。布団に入ってからも「寝られないな」と話し、決戦の前日には「あした勝ったらヒーローだな」とお互いに最高のイメージを膨らませ、床に就いた。
初めて甲子園の舞台でプレーする。3年間でようやく手にした夏切符。「甲子園に行くためではなく、日本一になるために今まで練習してきた。自分たちのプレーができれば、絶対に優勝できる。楽しみでいっぱいです」と中村。聖地でも広陵野球を見せつける。