檮原、今春センバツ出場・中村を撃破で初の決勝進出!
「高校野球高知大会・準決勝、檮原4-1中村」(25日、高知県立春野球場)
高知大会は準決勝が行われ、檮原(ゆすはら)が今春センバツ出場の中村を下し、初の決勝進出を決めた。エース右腕・浅井大地投手(3年)が8安打1失点の好投。過疎化が進む、人口約3600人の町の“希望の星”が、26日の決勝で8連覇を狙う明徳義塾に挑戦する。明徳義塾はエース左腕・北本佑斗投手(3年)の快投で岡豊に完封勝ちした。
喜びが爆発した。中村を倒して初の決勝進出。校歌を歌い終えた檮原ナインは全力疾走で応援団の前に並び、熱い拍手を浴びた。
「100点の試合でした」と横川恒雄監督(65)が目を細める。伊野商のコーチとして85年センバツ優勝。07年には室戸を率いてセンバツ8強入りと経験豊富な指揮官の采配に、選手たちが満点プレーで応えた。
最速140キロのエース・浅井が「中盤くらいから腕が振れて、いい球が投げられた」と8安打1失点の好投。打線も相手エース・北原から9安打で4点を奪った。主将の和田吉展内野手(3年)は「笑顔でつなぐ野球ができた」と胸を張った。
学校がある高知県檮原町は人口約3600人。日本三大カルストの一つである四国カルスト高原を有し、自然豊かな「雲の上の町」として知られる。
野球部は07年創部。歴史は浅いが、過疎化が進む町の“希望の星”として大きな期待を受ける。練習は両翼100メートルの町民グラウンドを毎日使用でき、選手が住む寮には地元農家から米や野菜の差し入れが届く。標高が高いため、冬は積雪することも多いが「近くのお年寄りがグラウンドの雪かきを手伝ってくれます」と横川監督。そんな地元のバックアップを背に、野球部は着実に力をつけてきた。
決勝の相手は8連覇を狙う明徳義塾だ。「明徳は横綱で、ウチは十両。でも、野球は何が起こるか分かりません」と横川監督。和田主将も「甲子園に行くことが地域への恩返しになる。明徳にしがみついてでも勝ちたい」と力を込めた。夢の甲子園へ、熱い声援を味方に王者撃破に挑む。