明徳義塾が8連覇!2番中坪、人生初アーチで聖地導く
「高校野球高知大会・決勝、明徳義塾7-3檮原」(26日、春野運動公園野球場)
高知大会決勝が行われ、明徳義塾が檮原を下し、8年連続の夏の甲子園出場を決めた。四回に2番・中坪将麻外野手(3年)が人生初アーチとなる3ランを放ち、勝利を大きく引き寄せた。初めて決勝に進んだ檮原は、エース・浅井大地投手(3年)が138球の力投を見せたが、7失点で初の甲子園には届かなかった。
“脇役”の一発が8連覇を大きく引き寄せた。1-0の四回。1点を追加し、なおも2死一、二塁のチャンス。明徳義塾の2番・中坪が内角低めの直球を鋭く打ち抜くと、打球はグングン伸びて右翼芝生席に飛び込んだ。
「外野は越えると思ったけど、まさか入るとは。初めてなので気持ち良かったです」
50メートルを5秒8で走る俊足の左打者。つなぎ役に徹してきた男は、小、中、高校を通じて本塁打とは無縁だった。大一番で飛び出した人生初アーチ。馬淵史郎監督(61)も「大きかったね」と称える値千金の3ランだった。
春の悔しさが生んだ一発だ。怪物・清宮を擁する早実に惜敗した今春センバツ初戦。相手投手の球威に押され、3打数無安打1三振に終わった中坪は「チームに貢献できず、悔しかった。スイングスピードが足りないと感じた」と振り返る。
その課題を克服するため、毎日1・5キロの重いバットを納得いくまで振り込んだ。「効果が出た。球の速い投手でも、しっかりたたけるようになった」。パワーアップしたスイングでチームを8年連続の聖地に導いた。
最後の夏は悔いを残したくない。「甲子園で1勝したい。早実ともう一度対戦することがあったら、絶対に勝ちたい」。明徳打線の名脇役が、熱い思いを胸に再び大舞台に上がる。