花咲徳栄・清水 3回完全、5Kで埼玉大会3連覇
「高校野球埼玉大会・決勝、花咲徳栄5-2浦和学院」(27日、大宮公園球場)
埼玉では花咲徳栄が3年連続の優勝を飾った。今秋ドラフト候補右腕の清水達也投手(3年)が3回完全、5奪三振の好救援で試合を締めた。埼玉での夏3連覇は06~08年の浦和学院以来、史上2校目(08年は南埼玉大会)。
渾身(こんしん)の力で振り抜いた右腕から力強い直球が放たれる。最後の打者を力のない遊ゴロに打ち取り、送球が一塁手のミットに収まると、マウンド上の清水は会心の笑みで歓喜の輪に身を委ねた。
「(3連覇の)プレッシャーもあったけど、絶対にやるんだという気持ちの方が強かった。最高の気分です」 3点リードの七回から登板。1番から始まる打線を「速い球へ対策をしてくるので、逆にカーブが有効だと思った」と変化球中心の配球で三者三振。一転、八回以降は左打者の内角を直球で射抜き、3回を完全に抑えて5奪三振の快投を演じた。
昨秋の県大会決勝でサヨナラ負けを喫するなど、浦和学院に「悔しい思いしかない」と清水。打倒・浦学へ、練習から相手の4番・蛭間拓哉外野手(2年)らを想定し、左打者を打席に立たせての投球を続けてきた。
そしてライバルの存在も飛躍につながる。今春の関東大会で早実・清宮幸太郎内野手(3年)と対戦。だが内角を攻め切れず、2本の適時打を浴びて敗れた。
「そこ(左打者への内角)を課題に練習を重ねてきたので」。流した汗は最高の形で結実。甲子園で、その清宮と再戦のチャンスもあるが「自信を持って投げたい」という言葉に迷いはない。屈辱を乗り越えた右腕は、聖地での躍動を誓った。