巨人・相川サヨナラ打 41歳球団最年長「中年の意地を見せたかった」
「巨人5-4DeNA」(30日、東京ドーム)
二塁ベース上で両手を突き上げ、白い歯をこぼした。九回、巨人・相川が巨人移籍後は初となる逆転サヨナラ2点二塁打。3位・DeNAに連勝し、4ゲーム差とAクラス入りへ弾みをつけた。
巨人では最年長となるサヨナラ打。「本当にうれしい。中年の意地を見せたかった」。仲間に手荒い祝福を受けた41歳は喜びをかみしめた。
まさに土壇場だった。1点ビハインドの九回2死から村田、亀井の連打で何とかつなぎ、一、三塁の絶好機。「とにかく、まず同点と思って打席に入った」。山崎康の初球、高めに抜けたツーシームを振り抜くと、打球は左中間を真っ二つに破り、2者が生還した。
劇的打まで15打席連続無安打だったプロ23年目。主将の一声も後押しとなった。八回に代打で一ゴロに倒れた後、坂本勇からセンター方向を狙うように助言された。「引っ張ろうとか流そうかとかより、センターに」と相川も心を決めた。6月6日以来の安打が最高の結果となった。
今季は球団史上ワーストの13連敗を喫するなど、チームとしてどん底に陥った時期もあった。だが、最大11あった借金も4まで減らした。徐々に勢いも増し、当面の目標である借金完済と12球団唯一の11年連続となるCS進出が見えつつある。
この日も最大3点差から意地の逆転勝利。高橋監督は「一つ一つの積み重ねが最後につながった」と話し、「一個ずつ勝って、少し(上位に)近づいたかな」と目を細めた。ここから上昇気流に乗るための、価値ある一勝となった。