東海大菅生、雪辱の早実越え 背番号「11」松本2失点完投
「高校野球西東京大会・決勝、東海大菅生6-2早実」(30日、神宮球場)
西東京では東海大菅生が清宮幸太郎内野手(3年)擁する早実を破り、17年ぶり3回目の夏の甲子園切符をつかんだ。元中日投手の若林弘泰監督(51)は2年前の決勝戦でのリベンジを果たすとともに、この日完投した背番号「11」の右腕・松本健吾投手(3年)に甲子園ではエースナンバー「1」を与えることを明かした。大阪大会では大阪桐蔭が3年ぶり9度目の甲子園出場を決め、大冠(おおかんむり)は1990年以来となる大阪公立校の夏の甲子園出場を逃した。
2年前の決勝戦で東海大菅生は七回まで5-0と早実をリードしながら八回に8失点し、悲願を逃した。当時を「雰囲気にのまれた、忘れられない試合」と振り返る若林監督は優勝決定後のインタビューで「一瞬、よみがえったんですが」と“悪夢の八回”への胸の内を明かした。
4-2での八回、早実は清宮が1死から右前打で出たが、東海大菅生は松本が4番・野村大樹捕手(2年)を遊ゴロ併殺打に打ち取り勝利につなげた。
若林監督は4年間に及んだ聖地への切符獲得に安堵(あんど)の表情で、「選手には『甲子園で勝つことを目標にしよう。西東京大会優勝じゃなくて全国優勝だ』と話してきた。その取り組みがよかったのかも」と感慨深げに話した。
応援席には、2年前のエース右腕で国際武道大の勝俣翔貴内野手ら3年連続準Vメンバーらが集結。若林監督は「あいつらには非常に申し訳なかった。その先輩たちがスタンドにいっぱい来ていたのでそれが救いです」と目元を潤ませた。
準々決勝の日大三戦を八回無失点、この日の早実戦は2失点完投と“2強”を封じた松本は、自身も1年生の時にスタンドで悪夢を体感しただけに、「きょう勝つために毎日苦しい練習をしてきた。それが報われて涙が出そうだったが、出なかった」と笑顔で喜びを表した。
清宮には八回に右前打を許したが、初球は「スプリットフィンガーでタイミングをうまく外せて予想通りの(右翼ポール右への)ファウルを打たせた」と納得の投球内容だった。「甲子園で勝つことが目標。背番号は『1』がいいです」と熱望すれば、若林監督も、「甲子園では『1』」を付けさせようかなと思う」とご褒美とともに全国制覇への本気度も示した。