「楽天３－２ロッテ」（４日、Ｋｏｂｏパーク宮城）

　指揮官のバースデーを劇的なサヨナラ勝利で祝った。チームの連敗も３で止まった。「最高のプレゼント。誕生日にこんな勝ち方、初めてかな。僕にとっても忘れられない勝ちになりました」。この日、６４歳の誕生日を迎えた楽天・梨田監督は思わず頬を上気させた。

　九回、同点に追いつきなおも２死一、二塁。阿部の打球は右翼・角中の前進守備を越え、大歓声とともにフェンス際で弾んだ。指揮官が「いい振りをしていたから先発で使おうとも思っていた」と話した途中出場の守備職人が殊勲打で応えた。

　故障者が相次ぎ、前カードの西武３連戦で３タテを食らった。首位ソフトバンクを追う形に転じ、指揮官は「長いシーズン、こういう時期は必ずある。耐えて、耐えて勝つしかない」と自らに言い聞かせるように話していた。記念日に孝行息子たちが最高の贈り物で弾みをつけてくれた。

　ソフトバンクが敗れ、１・５差に縮めた。阿部がお立ち台で絶叫した。「監督が誕生日に勝っている年は、絶対にリーグ優勝しています！」。吉兆も味方に突き進む。