ロッテ今季最多の借金34、伊東監督「細かいミスが多すぎる」
「楽天8-5ロッテ」(5日、Koboパーク宮城)
決して諦めない。その姿勢は見せた。
4点を追った九回。ロッテは加藤が4本目の安打で出塁したが、荻野が二ゴロ併殺打だ。
追い詰められたものの、角中の右前打で息を吹き返す。井口が歩いた一、二塁で鈴木が左翼線を破る適時二塁打を放つ。
「野球は2死から」。つないでほしい。だが、中村が遊ゴロでゲームセットだ。
3連敗。借金は最多の「34」となった。
「いい形で点を取ったが、1発で追いつかれた。今年は取ったらすぐに取られる。同じパターンで2本打たれた。粘りがない」
伊東監督は5回を被安打「9」で「5」失点の先発・涌井の投球をこう評した。
一回、加藤が美馬の出はなをたたいた。初球、142キロの真っすぐを右翼席に運んだ。3号の先頭打者弾だ。
しかし、その裏だ。涌井が先頭・茂木の0-1から左翼席に14号ソロを浴びた。キツいお返しだ。
涌井は球団を通してコメントした。「初回いきなりホームラン…。いい流れを作ってくれたが、初回の守りで崩してしまった」
三回2死二塁。アマダーに3-1からのスライダーを左翼席に運ばれた。勝ち越し弾。
さらに五回1死二塁。再びアマダーに1-0から141キロストレートを捉えられた。
打球は高く舞い上がり、また左翼席に落ちた。この17号2ランで試合の主導権は完全に楽天に渡った。
「ホームランバッターに2発。先発の仕事ができずにチームに申し訳ない」(涌井)
ペーニャを外し、4番に井口を起用した打線。二回以降、安打は出るものの、ここぞの一打がない。
四回2死一、二塁で吉田に変わって、そのペーニャを打席に送ったが、2-2からの132キロ真っすぐに反応できずに見送りの三振を喫した。
4日の試合は一回に鈴木の10号2ランで取った2点のみだった。
この夜は1点で終わるかと思われたが、八回2死一、二塁から根元が1点差と迫る1号3ランを右中間席に突き刺した。
1点差。しかし、その裏だ。有吉が松井、クルーズの連打で無死一、二塁のピンチを招いた。嶋はバントから一転、ヒッティングに出た。遊ゴロで二、三塁と局面は動いた。
松永がマウンドに上がった。オコエを0-2と追い込んだが、3球目は内角の甘いスライダーだった。
打球は三遊間を抜けた。一塁で大喜びをするオコエ。さらに銀次には左翼越えの2点二塁打だ。3点。
「勝負をしなくてもいい場面で勝負をしてしまった。細かいミスが多すぎる。接戦では命取りとなる」(伊東監督)
「追い込んでいたのに、勝負を焦った。ボール球でも良かった」(英二コーチ)
楽天に連敗して通算成績は3勝11敗。ソフトバンクと首位争いをするチームを再び勢いづかせた。
残り試合は「48」ある。
「なかなか(投打)がうまくかみ合わない。普通にしていることができていない…」
指揮官の最後の言葉は消え入りそうだった。