中日・森監督、長女死去 悲しみこらえ采配も白星つかめず
「中日1-1広島」(8日、ナゴヤドーム)
中日・森監督はまな娘の訃報という深い悲しみに耐え、ユニホームを着てグラウンドに立つことを決断した。長女・麗華さんが乳がんのため7日に35歳の若さで他界。この日の広島戦でも陣頭指揮を執ったが、手向けの白星を手にすることはできなかった。
悲痛-。そんな表現では足りないほどの心情に違いない。大切な家族を失った。しかも、娘となれば想像を絶する苦しみだろう。心中は察するに余りある。それでも、戦いの場から離れることはなかった。
球団からは「娘さんの近くにいてあげてください」と、この日の試合の指揮をコーチ陣に任せることも提案された。しかし、森監督は現場を預かる最高責任者として自らの責務を果たすことを選んだという。この日の試合前のミーティングでは選手、スタッフらに説明があった。指揮官へ弔いの白星を届けるべく、チーム一丸となったのは想像に難くない。
1点を争う緊迫したゲーム展開。4時間1分の激闘は引き分けという形で幕を閉じた。勝てなかった悔しさが胸に渦巻いた。