広陵・中井監督 中京大中京の追い上げに07年夏決勝・佐賀北戦の悪夢よぎった
「全国高校野球選手権・1回戦、広陵10-6中京大中京」(11日、甲子園球場)
夏の甲子園初制覇を狙う広陵・中井哲之監督(53)が、九回の中京大中京の追い上げに肝を冷やした。
センバツで3度の優勝経験を持つ広陵と、甲子園で春夏通算11度の優勝を誇る中京大中京との一戦。2試合目以降も好カードが続くため、午前6時半に満員通知が出され、スタンドは異様な熱気に包まれた。
広陵は7点リードを奪って優位に試合を進めていたが、九回に中京大中京が追い上げを見せると、球場全体が中京大中京を後押しするような雰囲気となった。
同校は2007年夏の甲子園決勝で佐賀北に、八回に逆転満塁本塁打を浴びて準優勝に終わっている。当時も指揮を執っていた中井監督は「(07年決勝と)同じような雰囲気でしたね。佐賀北を思い出しましたよ」。悪夢がフラッシュバックしたようで、苦笑いを見せた。
それでも3点を返されたが逃げ切って、4強入りした2010年春以来の甲子園勝利で、夏は2008年以来の勝利を挙げた。「(勝利から遠ざかっていて)プレッシャーはありました。でも、選手たちが夢の舞台で、大観衆の前で楽しそうにプレーしてくれたことがよかったです。スタンドが広陵のえんじ色に染まって、鳥肌が立ちました」と興奮気味に振り返った。