巨人阿部、逆転走者一掃打!大台へM2 アンダーシャツ未着で試合開始遅れても万全
「広島2-9巨人」(11日、マツダスタジアム)
二塁上で両手を挙げ、歓喜に沸く三塁ベンチに反応した。巨人・阿部慎之助内野手(38)が決勝の3点適時二塁打を放ち、通算2000安打まで残り2本とした。「勝てる一本が打てたから良かった」。試合前まで今季4勝13敗と大きく負け越していた広島相手にカード頭を取り、安どの表情を浮かべた。
一振りで球場の雰囲気を変えた。2点を追う五回2死満塁。絶好機で福井の初球、145キロ外角直球を仕留め、打球は左翼線へ。「細かいことは考えず、積極的にいこうと思った。コースに逆らわずに打ち返すことができた」。走者一掃の逆転適時二塁打となり、今季初の1イニング6得点への流れも呼び込んだ。
通算2000安打まで残り3本で乗り込んできた敵地。試合前練習では「阿部、2000本打ってくれ!」と5階席から声が飛ぶ。控えめに手を挙げると、広島ファンからも拍手が送られた。G党だけでなく、プロ野球ファンが背番号10の偉業達成を待ちわびている。
この日は思わぬ珍事にも見舞われた。チームのアンダーシャツなどを乗せた車両が球場に届く時間が遅れ、試合開始が30分遅延。そんなドタバタ劇にも開始10分前には、阿部はナインとともにグラウンドで素振りを始め、万全の準備を整えた。
高橋監督は「ぜひ2000本。明日勝って、なんとかそういう日にできればいい」と12日の達成を期待した。チームの借金も2に減り、3位・DeNAとも再び3ゲーム差。いざ大記録へ。カード勝ち越しを決定づける一打とともに、歴史に名を刻む。