三本松バッテリーが大活躍 エース佐藤完投&女房役・渡辺が公式戦初弾
「全国高校野球選手権・2回戦、三本松9-4下関国際」(13日、甲子園球場)
三本松(香川)が下関国際(山口)を下し、春夏を通じ4度目の挑戦で甲子園初勝利を飾った。MAX144キロのエース右腕・佐藤圭悟投手(3年)が、6安打4失点で完投。女房役で主将の渡辺裕貴捕手(3年)が公式戦初アーチを放つなど、打線も12安打で9点を奪い、アルプスに集まった約3000人の大応援団を喜ばせた。
待ち焦がれた瞬間に、アルプスの大応援団が熱狂した。春夏通じて4度目の挑戦でつかんだ甲子園初勝利。三本松ナインは晴れ晴れとした笑顔で校歌を歌い上げた。
6安打4失点で9回を投げ切ったエース・佐藤は「まず1勝。三本松高校の歴史に名を刻めたと思う」と胸を張った。140キロ台の直球と鋭いスライダーを武器に四回まで無安打投球。中盤に追い上げを許したが、味方打線が12安打の猛攻で突き放してくれた。
誰より頼もしかったのが女房役の6番・渡辺主将だ。1点リードの二回に左中間へソロ本塁打。自身公式戦初アーチに「アルプスの声援が気持ちよかった」とガッツポーズを決めると、四回には1死二、三塁からきっちり右犠飛。六回にも適時打を放ち3安打3打点の大活躍だ。
佐藤と渡辺は中学時代に同じ「東かがわリトルシニア」に所属。チーム創設2年目で全国大会に出場した経験を持つ。当時は内野手だった渡辺が、三本松入学後に捕手に転向。佐藤が「どんな球を投げたいか、あうんの呼吸で分かってくれる」と言うほど、息ぴったりのバッテリーに成長した。
試合前日の12日には地元から宿舎に熱いエールが届いた。東かがわ市の名産品である手袋の形をした大型の紙パネル50枚。そこには約1600人の応援メッセージが書き込まれていた。
ナインは、その一つ一つに目を通して気持ちを高めた。「三本松は東かがわ市で唯一の高校。東かがわ代表として戦う」と日下広太監督。歴史的1勝の勢いに乗って、3回戦で二松学舎大付に挑む。