退任の日本文理・大井監督、思い出は09年夏決勝「頭から離れない」
「全国高校野球選手権・2回戦、仙台育英1-0日本文理」(17日、甲子園球場)
日本文理(新潟)は息詰まる投手戦の末に敗れた。今大会限りで退任する大井道夫監督(75)は「子供たちにここまで連れてきてもらって、最後にいいゲームで終われて幸せです。(野球人生が)甲子園で始まって、甲子園でユニホームを脱げる。幸せな男だね。こんなことはめったにないよ」と万感の思いを口にした。
1986年に日本文理の監督に就任し、32年間指揮を執った。最も印象に残っている試合を聞かれると「やっぱり09年の決勝戦だね」と、中京大中京(愛知)に9-10で敗れたものの、九回2死から5点を追い上げた一戦を挙げ、「頭から離れない。みんなも覚えていてくれるもん」と特別な思いを明かした。長い監督生活を振り返り、「本当によくやったなと思う。月並みだけど、自分で自分を褒めてやりたい。周りの人にも感謝したい」と話した。
今後は総監督としてチームを見守る方針を明かした。次世代の日本文理には「高校野球も進化しているので、投手なら最低でも145キロを出すとか、日頃から全国レベルを目指す心を持ってやらないといけない」と日本一の夢を託した。