DeNA今永プロ初2桁星 成長見せた7回0封「もっと貯金を作りたい」
「DeNA4-1中日」(17日、横浜スタジアム)
己に打ち勝った末に手にした勲章だ。DeNA・今永昇太投手(23)がプロ2年目で達成した初の2ケタ10勝目。「試合に入る前は違った緊張感もあった」。喜びと安どが入り交じる表情。だが、勝利を呼び寄せたのは自身の成長に他ならない。
初回は制球に苦しんだ。ボール先行の投球から先頭の京田には左前打。続く荒木を二ゴロ併殺に打ち取るが、大島には四球を与える不安定な内容だった。それでも、ここからが昨季までとは違う。
足を上げたときに外側に掛かっていた重心を、内側に掛かるように修正。「一回で修正できたのが大きい。去年までならリリースのことしか考えてなかった」。目に見えない差を感じる力。それが大きな成長の証しだ。
二回以降は中日打線を寄せ付けず、七回1死一、三塁の危機も木下拓を三ゴロ併殺打に切り、7回無失点で救援陣へ後を託した。
そんな左腕も5月までは勝てない日々に苦しんだが「もう1回新しい自分を作り直した」とプレートの踏む位置を一塁側から三塁側にするなど変化を恐れず、高みを目指した。
そして「顔つきを気にしてきた」と打たれた翌日も悔しさを表情に出さず、周囲の雰囲気作りにも心を砕いた。自らに課した8月中の10勝も達成。「これからもっと、チームの貯金を作りたい」。頂点を見るまで、その成長が止まることはない。