大阪桐蔭・根尾の一撃 “走攻守投”の新4番!2年生が智弁和歌山打ち砕いた
「全国高校野球選手権・2回戦、大阪桐蔭2-1智弁和歌山」(17日、甲子園球場)
2回戦3試合が行われ、16強が出そろった。大阪桐蔭は甲子園で初めて智弁和歌山と激突した。聖地で初めて4番に座った来秋のドラフト候補・根尾昂外野手(2年)が、初回に先制打を放って主導権を握り、名門対決に競り勝った。ミレニアム世代をけん引する逸材の活躍で、史上初となる2度目の甲子園春夏連覇へ前進した。
聖地を魅了した先輩たちに、全く引けを取らない可能性を感じさせた。4万7000人がスタンドを埋めた智弁和歌山との名門対決。根尾が全国の注目を集めた一戦で4番に座り、大歓声を浴びた。
背番号10の2年生は、午前中の練習で6番からの昇格が伝えられた。「やってやろうという気持ちになった」。気持ちの高揚がプレッシャーを上回った。
初回2死三塁。智弁和歌山の左腕・黒原の内角直球に詰まりながらも振り抜いた。先制の中前適時打。「食らいついた。相手が打たれたくないところで攻めることができた」。新4番の一打が勝利への流れを生み出した。
大阪桐蔭は甲子園で春夏通算6度の優勝を誇る。根尾はイメージする4番に「(日本ハム)中田翔さん」と話したように、平田良介(中日)や中田のような大砲が、聖地で4番に座ってきた。
根尾は昨秋近畿大会で4番に座り、智弁学園との準々決勝で本塁打を放ったが、歴代の4番とはタイプが違う。走攻守三拍子そろった万能選手。投手としては最速148キロの直球を投げ、外野以外に遊撃や三塁もこなす。
この試合の守備では、六回1死で右翼線への浅い飛球へ猛ダッシュ。チーム2位の50メートル走6秒0の俊足を生かし、地面すれすれで捕球する好守も見せた。
学力も優秀で、成績は野球部トップ。だが、いい意味での“野球バカ”でもある。練習は周囲が認めるほどの量をこなす。寮ではプロ野球中継を見て配球を勉強し、親から送ってもらったマッサージの本を読んで姿勢を正す。
西谷浩一監督(47)は野球に全てを捧げる真面目さと努力を評価。「ここ一番での集中力がある」とも話し、注目を集める試合で4番に起用した。
将来を嘱望される逸材の活躍で強豪を撃破。史上初となる2度目の春夏連覇へ、また弾みがついた。