大阪桐蔭「勝った!」が…まさかの暗転サヨナラ負け 史上初2度目春夏連覇散った

 サヨナラ負けし、涙を流しながら引き揚げる(左から)徳山、柿木ら大阪桐蔭ナイン=撮影・山口登
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 「全国高校野球選手権・3回戦、仙台育英2-1大阪桐蔭」(19日、甲子園球場)

 史上初となる2度目の甲子園春夏連覇を目指した優勝候補の大阪桐蔭(大阪)が、九回2死走者なしから聖地の魔物にのみ込まれ、逆転サヨナラの1-2で敗戦、3回戦で姿を消した。

 聖地に悲鳴と歓声が入り交った。勝利を確信した直後の大暗転。大阪桐蔭が無残に散った。史上初となる偉業への道は、思わぬ形で閉ざされた。号泣する3年生。表情を失う2年生。西谷監督は教え子にわびた。

 「やることは全部やったし、(展開に)何も悔いはない。(悔いは)勝てなかったことだけ。監督の力不足」

 1点リードの九回2死一、二塁。仙台育英・若山が遊撃へのゴロを打った。一塁への送球も完璧。誰もが勝利を確信した。

 だが、一塁・中川卓也内野手(2年)が、失策を犯してしまう。「焦ってボールを捕ることを考えてしまった」。ベースを踏めずに2死満塁としてしまうと、馬目に左中間へサヨナラ打を浴びた。

 センバツを制すなど、今年の公式戦は負けなしの26連勝。特徴は結束力だった。主将・福井章吾捕手(3年)がチームをまとめ上げた。

 福井には西谷監督と数え切れない会話の中で、忘れられない言葉がある。

 「キャプテンでチームは変わる」

 主将就任当初の2カ月間は、監督へ提出する野球ノートの返答に、いつも赤いペンで丸をされた「主将力」とだけ書かれていた。

 「自分なりに意味を考えた」。ミーティングの方法を変え、選手にも厳しい姿勢を示した。そして、いつしか絶大な信頼を集める主将となった。

 西谷監督にとっても思い入れの強いチームだった。「こういうチームで勝ちたいと思えるチームだった。大阪桐蔭にとって大きな財産になるチームだったので…」。名門は志半ばで聖地を去った。

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