仙台育英奇跡8強 九回2死無走者からドラマ「何が起きたのか分かりませんでした」
「全国高校野球選手権・3回戦、仙台育英2-1大阪桐蔭」(19日、甲子園球場)
劇的すぎてわれを忘れそうだ。九回2死からのサヨナラ逆転勝利。「うれしいのを通り越している」。仙台育英(宮城)・佐々木順一朗監督(57)が興奮している。あまりにドラマチックに決めた8強進出だ。
何か、おかしいと思った。1点を追う九回2死から中前打や二盗、四球で一、二塁として打席に入った若山壮樹内野手(3年)が遊撃へゴロ。一塁へのヘッドスライディングを試みたが「アウトだと思って下を向いていました」。ただ相手一塁手がベースを踏み損ね判定はセーフ。一塁コーチャーの声でわれに返った。
すると、今度は「何が起きたのか分かりませんでした」。満塁の絶好機から馬目(まのめ)郁也内野手(3年)が中堅頭上を越えるサヨナラ打。無我夢中でガッツポーズを繰り出した。
「浦学戦が頭をよぎった」と佐々木監督。13年夏、今回の大阪桐蔭と同様に春夏連覇を懸けた浦和学院との1回戦。最後は11-10でサヨナラ勝利した激闘の再演を選手がやってくれると信じていた。
エース・長谷川拓帆投手(3年)は今大会初失点を喫したが9回1失点の完投。「何といっても長谷川の好投につきる」と佐々木監督。次戦も一丸で勝利をつかむ。