清宮、高校通算最多108号 木製バットでも怪物!130メートル場外弾
「練習試合、U18日本代表17-4千葉工大」(25日、千葉工大グラウンド)
野球のU-18W杯(9月1日開幕、カナダ・サンダーベイ)に出場する高校日本代表が25日、千葉県内のグラウンドで千葉工大と練習試合を行い、主将の早実・清宮幸太郎内野手(3年)が高校通算最多とされる単独トップの108号本塁打を放った。4番・一塁で先発し、五回の第3打席で木製バット初アーチとなる右越え2ラン。山本大貴(兵庫・神港学園)が2012年にマークした107本を更新した。
清宮の108号は、ジャパンのユニホームで刻んだ。両翼100メートルのグラウンドで高さ10メートルの右翼防球ネットを越える推定飛距離130メートル特大弾。五回無死一塁、左腕・佐々木の高めのスライダーを運んだ。履正社・安田らライバルだったチームメートに迎えられたのが新鮮だった。
「早実で打っても、ああまたかという感じですが、きょうはみんな初めて見たので喜んでくれました」
西東京大会決勝で敗退後、木製バットで練習してきた。第1打席は見逃し三振。「悪いときは相手に合わせて、受け身になって手が出ない。2打席目からは自分のタイミングで振れました」。三回に先発右腕の変化球を右前に引っ張り、記念弾につなげた。
2年前は1年生でW杯に出場し、本塁打なしの打率2割台。「バット選びだったり、木に対する対応がまだまだだった。木に素人で、金属と同じ910グラムを振っていた。気付いていなかったけど、早実に戻ったら素振りしている(重い)バットと同じぐらいだった」
木製と金属。同じ重さだと、木製の方がヘッドの重さを感じる。金属と同じ感覚で振れるよう、今回は860グラムに軽くした。木のバットだと下がりがちなヘッドも、小枝守監督からのアドバイスで意識して立てた。
広陵の中村が夏の甲子園で大会新記録の6本塁打を放って大ブレークし、今秋ドラフトの1位候補に躍り出て、清宮、安田とスラッガーBIG3となった。だが、清宮への評価は揺るがない。ネット裏には、阪神を除く11球団のスカウトが集まったが、DeNAの高田GMは「いうまでもない。見る必要のない選手」と言い切った。
108号の記念球は関係者を通じて清宮のもとに届いた。「タイ記録ではなく抜きたいという思いがあった。プレッシャーになる前に打ててよかったです」。高校最多本塁打男の称号を得て、怪物が世界と戦う。