清宮、DHは勘弁 持ち味出せず不発「やりにくい」 一塁での起用へ

 「練習試合、城西国際大5-2U-18日本代表」(27日、城西国際大グラウンド)

 野球のU-18W杯(9月1日開幕、カナダ・サンダーベイ)に出場する高校日本代表が27日、千葉県内で城西国際大と練習試合を行い、逆転負けを喫した。「4番・DH」で出場した高校通算109本塁打の清宮幸太郎内野手(3年)は3打数無安打。守備からリズムを作ることができないDHの難しさを明かした。即座に小枝守監督(66)は慣れ親しんだ一塁での起用に前向きな姿勢を示した。

 慣れ親しんだ場所とは、やはり違った。2戦連発中だった清宮のバットから、快音は響かなかった。「いい球でした。さすが大学生だなと思った」。潔く脱帽した日本代表の4番は、今回の合宿で初めて務めたDHについて「やりにくいです」と難しさを口にした。

 初回は1死一、二塁から落ち着いて四球を選び、先制点を演出した。だが、残り3打席は凡退。六回はフォークを空振りし、珍しく3球三振に倒れた。試合が進むにつれて集中力が高まり、アジャストしていく持ち味を発揮できなかった。

 元々が守備からリズムを作ることを好むタイプ。この日はベンチから仲間にゲキを飛ばし続けたが「ムズムズします」と素直な心境を明かした。守備に就いた方がやりやすいかと問われると「そうですね」と即答した。

 実際、2年前のW杯では苦しんだ。7試合が「4番・DH」での出場で「4番・一塁」での出場は途中交代した1試合のみ。大会を通じて27打数6安打、打率・222。打点はわずか2で9三振、長打は二塁打1本にとどまった。

 チームの鍵を握る主砲の打棒。首脳陣も最良の形を模索する。「急造チームの時は(選手と)コミュニケーションを取っていかないと」と小枝監督。思い描くプランを伝えた上で「それが不得手な時は、こちらも一歩下がらないと」と柔軟に対応する姿勢を示した。

 この日で練習試合は終了。もちろん、清宮は「与えられたらやるしかない。しっかり声を出したり、盛り上げたり」とDHでも全力を尽くす構えだが、大会では一塁の“指定席”が用意されることになりそうだ。

 準優勝に終わった前回大会では、涙を流して2年後の世界一を誓っていた清宮。「前は打てなくて負けている。チームのための打撃をしたい」。教訓を生かすためにも、本来の仕事場で大暴れする。

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