ロッテ・井口、惜別弾「僕の気持ち、みんなの気持ちが伝わって飛んだ」

 「ロッテ4-3日本ハム」(24日、ZOZOマリンスタジアム)

 ロッテ・井口が宙に舞った。1度、2度…計8度。押し上げるナインの力と心がうれしい。引退試合での一発は、42歳のものとは思えない豪快弾そのものだった。

 敗色濃厚の九回無死一塁。これが現役最後かという打席だった。増井の2-1からの149キロ直球を捉えた。打球は中堅右に飛び込む同点の2号2ランとなった。

 「この打球を求めて1カ月やってきた。ここ数年忘れていた感触だった。僕の気持ち、みんなの気持ちが伝わって飛んだ」

 初出場は新人時代の97年5月3日・近鉄戦。一回に初安打を放つと、四回に満塁弾を左翼席に運んだ。新人日本選手のデビュー戦でのグランドスラムは、プロ野球史上初の快挙だった。

 伝説とともに歩んだプロ人生を新伝説で締めくくった。最終打席はこだわり続けた右への打球。右飛だった。

 負けられない。全選手が井口の背番号「6」を付け、気持ちを一つにした。延長十二回。鈴木のサヨナラ打は出るべくして出た。

 来季のロッテ監督就任を要請されている。気持ちは固まっている。だが、この日は「我がマリーンズですが、このような順位で終わるようなチームではありません」とファンに熱く訴えるだけにとどめた。

 井口がにじむ視線の先に見たのは、ナインの手によって再び宙に舞う姿だったか。

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