中日・森野、万感「やり切った」 来季打撃コーチ就任へ
「中日3-2広島」(24日、ナゴヤドーム)
七回無死一塁で告げられた代打。3球目を目いっぱい振った中日・森野の打球は一ゴロ。故障明けの右太ももは限界なのに、全力で駆け抜ける。染み付いた真剣勝負。21年を凝縮した。
サヨナラ勝ちの歓喜でウオーターサーバーを手に。花束を手渡してくれた殊勲打の藤井に「花束のお礼に」と頭からかけた。試合後のセレモニーでは、背番号と同じ7度の胴上げ。「晴れ晴れとした気持ち」と表情を澄ませた。
低迷にあえぐチームを黙って見ていられない。次なる仕事もできた。球団から打撃コーチ就任の要請を受け「やらなきゃいけないでしょ。使命なのかとも思う」。脱がしてはくれないユニホーム。再びらんらんと輝き始めた瞳に、また金色に輝く竜の姿を映す。