「セＣＳファーストＳ・第３戦、阪神１－６ＤｅＮＡ」（１７日、甲子園球場）

　難関を突破した。初戦を落とした劣勢をはね返した。スタンドが黄色に染まった敵地で連勝。ＤｅＮＡ・ラミレス監督は「選手たちがネバーギブアップで決して諦めなかった」と称え、満足げにうなずいた。

　采配がズバリ的中した。２戦目から梶谷を２番に据えた攻撃型打線が火を噴いた。“恐怖の２番打者”は初回無死一塁で右前打を放って好機を広げ、四回には中前に適時打を放って躍動した。

　２番・梶谷は元々、指揮官こだわりのオーダーだった。「梶谷を２番に置くと、相手ピッチャーにプレッシャーをかけられる」が持論。第２戦で３安打と大当たりし、打線も大爆発して逆王手をかけた。執念のタクトがはまった。

　大一番を迎えたこの日、ナインにゲキを飛ばすことはなかった。「選手はこういう状況で何をすべきかみんな分かっている」。強く信じたチルドレンをグラウンドに送り出し、セの３位チームとして初めて２年連続ＣＳファイナルＳ進出を決めた。

　昨年の広島とのファイナルＳでは１勝しかできずに敗退した。「しっかりベストを尽くして戦えればと思います」。本当の下克上はこれからだ。成長した選手たちとともに、次のステージに挑む。