ソフトバンク・内川が3戦連発 過去2度MVPのCS男が本領発揮
「パCSファイナルS・第3戦、ソフトバンク7-5楽天」(20日、ヤフオクドーム)
リーグ王者のソフトバンクが連敗を2で止め、アドバンテージを含め対戦成績を2勝2敗のタイとした。5-5の八回2死一塁から中村晃が右越えに決勝2ラン。2-3の三回には無死一、二塁から主将の4番・内川が3試合連続本塁打の逆転3ランを左翼席へ放った。
内川はお立ち台で、「びっくりしました。(前の打者の)デスパイネがフォアボールで一塁へ向かうときにスペイン語でまくし立てていた。『絶対打てよ』みたいな意味だと思った」とおどけながら感想。今季は終盤に左手親指骨折のため戦列を離れた時期があっただけに、「ケガで迷惑をかけたが、チームみんなでもう一度日本一になるチャンスがある。いい結果が出てうれしい」と話すと、「一つ勝つのはホントに大変」とホッとした表情も見せた。
その後、内川は報道陣の囲み会見で、「まだまだ、タイになっただけ。今日はこれで終わり、明日みんなで頑張らなければ」と気を引き締め直し、あらためて、「一つ勝つことの難しさを知った前の2試合だった。また明日勝たなければ」と語った。
過去のCSでも2度MVPとなっているが、今CSでも3試合連続アーチとケガからの完全復活を見せている。この日も三回に奪三振王の則本から3ラン。「球種とかコースどうこうではない。いいピッチャーなので受けてしまうと負け。勝負できる球と勝負した。(打った)カーブは頭にはあったが、カーブを狙うつもりではなかった。一番打たないといけない打席だった」と振り返った。
チームはこの日、大幅に打順や選手を入れ替えて臨んだが、「僕は監督ではないのでその辺は監督に聞いてください。僕自身は(4番で)変わっていない。その時その時の状況に応じたバッティングをするだけ」と職人気質をにじませた。
内川は最後に、「うちが3つ、楽天が4つ勝つまでは終わらない。そこに行き着くまでは戦う。僕自身は変わらない。変わった点といえば明日はデーゲームだなということ(笑)かな」と話すと、「ピリピリした中でやるのは分かっていた。クライマックスで戦うというのは大変なこと」と思いを表していた。