工藤監督笑った ソフトバンク0%からCS制覇
「パCSファイナルS・第5戦、ソフトバンク7-0楽天」(22日、ヤフオクドーム)
2年ぶりにリーグを制したソフトバンクが、3位から勝ち上がった楽天を7-0で下して2連敗から3連勝を飾り、アドバンテージの1勝を加えて2年ぶり17度目の日本シリーズ進出を決めた。ファイナルSで4試合連続本塁打を放った内川聖一外野手(35)が2年ぶり3度目の最優秀選手(MVP)に選ばれた。日本シリーズは28日にヤフオクドームで開幕する。
リーグ優勝の時と同じように、工藤監督は7度宙を舞った。ペナントを奪回した9月16日のお立ち台で見せた涙はなく、終始笑顔だった。
「この福岡の地で、また胴上げをしていただいて、こんな幸せな男は今日、福岡で僕だけ」。楽天を相手に全勝突破を誓いながら、打線が振るわず2連敗。2007年のCSからパ・リーグのファイナルS初戦を落としたチームが日本シリーズに進出した例はなく、重苦しい雰囲気に包まれた。
「日本シリーズ進出が0%(と報道され)、あれで選手はこんなところで終わってたまるかとなった」。選手の反骨心が苦境を打破する原動力になった。
自らも動いた。負ければ王手をかけられる第3戦の試合前、就任後初めてシートノック後の円陣に参加して選手を鼓舞。「うちのチームは、明るく元気に、そして何よりもハツラツとしたプレー。それをいま一度思い出して『バカ』になって野球をやろうと」。起爆剤として今季出場2試合の城所を先発に抜てき。第5戦は柳田を急きょ「1番・中堅」で起用するなど采配がズバリ当たった。
崖っぷちから
崖っぷち寸前からの3連勝で、2年ぶりとなる頂上決戦の出場切符を勝ち取った。「日本一になることしか考えていない。また胴上げをしてもらえるように一生懸命、選手と一緒になって頑張っていく」。日本ハムにCSで敗れて3連覇の望みを断たれた1年前。以来、悔しさを胸に戦ってきた。あと4勝で自身への雪辱の1年が完結する。