ソフトバンク「清宮1位」異例の明言 王会長、早実後輩を“後継者”に「育てたい」
阪神、ヤクルトに続いて、ソフトバンクの王貞治球団会長(77)も早実・清宮を1位指名することを公表した。25日に東京都内で行われた編成会議後に明言した。球団は例年1位指名を明らかにしておらず、事前公表は極めて異例だ。清宮は最大で8球団の競合となる可能性がある。
運命の日を前に「赤い糸」を信じて疑わない。1位指名選手の最終確認などのため、都内のホテルで行われた編成会議に出席した王会長が、わずか約30分で部屋を出てきた。足取りは軽く、表情は明るい。「もうね、決まっている、予定通りっていう感じかな」。報道陣からの「1位指名は清宮か」との問いに「はい。はい」と、力強くうなずいた。ドラフト前日までに1位指名を公表するのは、球団としては異例だ。
9月のプロ志望表明会見で清宮は「王さんのような人間、野球人になりたい」と、通算868本塁打を目標に掲げた。すると王会長はすぐさま「欲しいよね」とラブコール。1位指名を公表したこの日はあらためて「やっぱり魅力がありますよ、プロ野球(選手)としてね。順調に育ってほしいし、育てたい」と言い切った。
王会長の夢はふくらむ一方だ。「超特大のホームランをね、見たいよね。ファンの人も見たいだろうしね。柳田と競い合ってさ」。自らの手で“怪物”を引き当てればこれ以上のドラマはない。ただ、そこは勝負師としての“一面”をのぞかせた。「彼(工藤監督)の強運にね。やっぱり実績がものをいうからな。それが順当な流れだから」。王会長から熱い思いを託された工藤監督が、その右手で「運命の赤い糸」をつなげる。