ソフトバンクとＤｅＮＡが対戦する日本シリーズが２８日にヤフオクドームで開幕する。セ・リーグ３位からＣＳを突破し、下克上で日本一を狙うＤｅＮＡのアレックス・ラミレス監督（４３）は２５日、高卒新人の細川成也外野手（１９）をＤＨ制が採用される敵地でスタメン起用する可能性を示した。さえ渡る采配で、阪神、広島を撃破してきた指揮官。日本シリーズでも見せつける。

　無限の可能性を秘めた若武者が、大抜てきされるかもしれない。相手の本拠地・ヤフオクドームでＤＨ制に入る候補に浮上したのは新人だった。細川を先発出場させる可能性について、ラミレス監督は「これからどう使うか考えていく」と話すにとどめたが、その打力を生かしたい思いは強い。

　パンチ力は規格外だ。３日の中日戦でプロ初打席初アーチをかっ飛ばし、４日の同カードで２戦連発をマーク。将来も見据え、細川をＣＳファーストＳからベンチ入りさせた。突破を決めたファイナルＳ第５戦では代打で登場し、ＣＳ初安打初打点もマーク。指揮官は「日本シリーズには来ます」と既にメンバー入りを決めている。

　指名打者の有力候補は、筒香ら主軸打者。ただ「相手が、どういう投手で来るか考えないといけない」とバリエーションを増やす構えで、細川にも出番はある。高卒新人の野手が日本シリーズに出場すれば球団史上初で、スタメン出場を果たせばセでは８８年・立浪和義（中日）以来の快挙だ。

　ＣＳでは先発投手の中継ぎ起用や“一人一殺”の継投とサプライズ采配が、ズバズバはまったラミレス監督。セ界を代表し、下克上で狙う日本一。高卒ルーキーの先発起用という勝負タクトを繰り出す可能性も否定はできない。