中日1位のヤマハ・鈴木「地元の球団、チームの中心選手になりたい」
「プロ野球ドラフト会議」(26日、グランドプリンスホテル新高輪)
中日がドラフト1位で最速157キロ右腕のヤマハ・鈴木博志投手(20)の交渉権を獲得した。
入札開始から30分が過ぎたころ、中日の順番で鈴木の名前が呼ばれた。マウンドで貫くポーカーフェース同様、表情を変えずにテレビ画面を注視。無数のフラッシュを浴びて、20歳の右腕はようやく白い歯を見せた。
「うれしく、光栄に思います。自分自身も身が引き締まる思いです」。地元静岡の隣県、愛知の本拠地に置く球団。「地元の球団で、浜松にもファンが多いので。すごくうれしいです」と喜びをかみしめた。
鈴木は磐田東からヤマハに入社し、3年目。昨年11月の社会人野球日本選手権で頭角を現した本格派の右腕だ。力みのない投球フォームから150キロ超の直球を連発できるポテンシャルは、今ドラフトNo.1の将来性を感じさせる。
「ゆったりとしたフォームから投げる力強い真っすぐが、僕のセールスポイントです」。社会人日本代表にも選出されているが、まだまだ伸び盛りの20歳だ。「中日は昔から歴史があって、強いイメージで親近感もあります。チームの中心選手になりたい」。現在の最速は157キロ。プロでは160キロ越えにも意欲を見せる。
「球速というのは,
誰もが投げられるわけじゃないので。160キロ目指してやりたい。ただ、それだけじゃなく、勝てる投手になりたい」
ヤマハでは主に抑えを努め、今夏からは先発を任されてきた。プロでの起用については「抑えというポジションやってきて、やりがいもある」とこだわりを見せながらも、「先発、中継ぎ、抑え、どこでもいけるように準備したい」と前を向いた。潜在能力が高く、無限の可能性を感じさせる20歳。「中日の選手については、あまり詳しくないんですが。また、投手王国と言ってもらえるように頑張りたいです」と前を向いた。
1997年3月22日生まれ、静岡県出身。身長181センチ、体重95キロ。右投げ右打ち。社会人での公式戦は通算18試合で2勝2敗、36回2/3を投げて、防御率2・21。