【清宮幸太郎伝説】“メジャーの本塁打王”夢の原点は世界一経験

 「日本ハムドラ1清宮幸太郎伝説」

 7球団競合の末、日本ハムが早実・清宮幸太郎内野手(18)の交渉権を引き当てた。高校通算111本塁打を放ち、甲子園にも2度出場。高校野球史上空前のフィーバーを巻き起こした大砲が、今度は球界を代表する大砲となる未来に期待が膨らむ。その生い立ち、リトルリーグ時代から数々の伝説を残してきた横顔を連載で紹介する。

  ◇  ◇

 めきめきと力をつけた清宮は、東京北砂リトルで数々の伝説を残していく。小6時の打率は8割。試合をまたいで8打席連続本塁打もマークした。初回に軽々と流し打ちでアーチを放った後、次打席からは走者がいてもすべて敬遠され、敗れた試合もあった。

 そして、中1だった12年夏の世界大会。大人顔負けの特大弾を含む3本塁打に加え、主戦投手としても優勝に貢献。開催地の米国で“日本のベーブ・ルース”と報じられた。「世界大会で優勝して活躍できた。あの経験が自分にとっては大きかった。人生が大きく変わった」。4万人の観衆の前で世界一となった体験が“メジャーの本塁打王”という夢につながっていく。

 リトル通算132発。日高淳二監督(46)によると「ボールが何十球なくなったかわからない」。とにかく打撃練習好きで、わずかな時間があればバットを振っていた。性格も天真らんまん。世界大会では得意の英語で他国の選手に話しかけてすぐに仲良くなり、卓球に興じた。指揮官が感心したのも、その向上心と順応性。「ホームランを打っても自分の実力におごらない。絶えず上を目指していた。うまい子は天狗(てんぐ)になりがち。真面目で素直で珍しい」という。

 そして、幸太郎は中1の9月、早実OBも多い調布シニアに入団する。安羅岡(やすらおか)一樹監督は、まずスイングスピードに驚嘆した。将来プロを狙えるという3年生より「その時点で全然上だった。何でこんなに速いんだと」。翌夏に計測したところ、大学生の平均を軽々オーバー。入団後すぐに3番で起用された。

 シニアでも、残した伝説は数知れず。中2秋の試合では、弾丸ライナーで打ち込んだホームランボールが、衝撃でへこんでいたという。打撃練習では、高さ20メートルのネットを越える130メートル弾も日常茶飯事で、打球が速すぎて危険なため1年生が守備に就くことは禁止だった。「打席に入ると違うオーラがある。能力は教え子の中でピカイチ」と安羅岡監督。初めて会った時、目標を聞かれた幸太郎は「メジャーに行きたい」と即答した。

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