DeNAラミレス監督 工藤監督の予告先発提案を拒否 「7戦全部なし」に決定
「日本シリーズ・第1戦、ソフトバンク-DeNA」(28日開幕、ヤフオクドーム)
日本シリーズの監督会議が27日、ヤフオクドームで行われた。ソフトバンク・工藤公康監督(54)が投手を予告先発とすることを提案したが、DeNAのアレックス・ラミレス監督(43)はこれを拒否。話し合いの結果、ラミレス監督の希望通りに予告先発はしないことに決まり、日本一を懸けた戦いの“前哨戦”は、まずはDeNAに軍配が上がった。
和やかなムードの中に、両監督が火花を散らす。日本野球機構(NPB)の井野修規則委員から日本シリーズでのルール説明が行われた後、まずは工藤監督が切り出した。
「予告先発は、ウチは(やっても)大丈夫ですよ」とジャブを繰り出す。だが、ラミレス監督は応じない。ソフトバンク側はさらに、パ・リーグの本拠地開催のみでの採用という譲歩案も提示するが、これはNPBから運用ルールに従って球場ごとで変えることはできないと却下された。
そして、ラミレス監督は静かな口調で「できれば7戦全部、予告先発はなしにしてほしい」とソフトバンク側の要求を拒否。両監督が合意できず、今シリーズで予告先発は行わないことが決まった。
予告先発か否か。日本一を懸けた決戦では大きな要素だ。先発陣に右投手が多いソフトバンクに対し、DeNAは右に井納、ウィーランド、左に今永、石田、浜口とタレントをそろえる。圧倒的戦力を誇る敵に対し手の内を明かさず、戦術面に影響を及ぼすことができるのはDeNAのメリットになる。
工藤監督は「予告先発(なし)はお互いなのでどちらがやりやすい、やりにくいはない」としたが、王者の揺さぶりを受け流したラミレス監督が“前哨戦”を制した格好だ。
「もともとのルールがそう(予告なし)だったので。ソフトバンクも、そういうルールを守るということで、話し合いもプロフェッショナルだった」と“勝利宣言”のラミレス監督。熱い本戦が、いよいよ幕を開ける。