DeNA・宮崎“勝ち”あるV弾で勢い再び! 日本一へ「明日も勝ちます」
「日本シリーズ・第4戦、DeNA6-0ソフトバンク」(1日、横浜スタジアム)
DeNAが一矢報いた。打線が12安打6得点とルーキー浜口の好投に応えた。五回、宮崎敏郎内野手(28)の2号ソロなどで2点先制。初の先発マスクで好リードを見せた高城俊人捕手(24)は、1号ソロを含む3安打3打点と攻守で活躍した。日本一に輝いた98年以来、19年ぶりとなるシリーズでの白星。チームカラーの青と白に染まったスタンドからは喜びがあふれた。
ひと振りで雰囲気を一変させた。五回、無死。宮崎が左翼上段へ決勝の2号ソロ。1ボールから、和田が投じた内角寄りのツーシームを振り抜いた。「浜口が頑張っていたし、いい形で勢いづけたと思います」。チームに流れを呼び込む、価値ある一撃となった。
後がない状況で、四回まで両軍無得点。五回の攻撃前には一塁ベンチ前で円陣が組まれ、「どんどん行こう」と声が飛んだ。独特な雰囲気にのみ込まれ、積極性を失いかけていた仲間に勇気をもたらす一発。リーグ首位打者に輝いた28歳が、打線をけん引した。
3点リードの八回1死三塁では、3ボールからの失投を見逃さずに右前適時打。ラミレス監督が「球界でもトップクラス」と太鼓判を押す巧みなバットコントロールで、貴重な追加点をたたき出した。3安打の活躍で、今シリーズ初勝利に貢献した。
大学、社会人を経てドラフト6位でプロ入りしたたたき上げ。今季は三塁のレギュラーに定着したが、これまで通りグラウンドで大粒の汗を流し続けた。試合前練習でも抜くことを知らず、フリー打撃の前後にも守備練習。その姿に、ラミレス監督が「お前はもうレギュラーなんだから休め。ゆっくりラーメンでも食べてなさい」と、ストップをかけることもあった。日頃の成果を、大一番で存分に発揮した。
依然として後がない状況に変わりはない。だが、リーグ3位からはい上がってきたDeNAに失うものはない。「シーズン中から明日、明日と切り替えてきた。リーグ優勝したわけではなく、勝ち上がってここまで来たので、プレッシャーもあまりない。明日も勝ちます」と宮崎。つかんだ勢いに乗り、逆境に立ち向かう。