松山聖陵・土居「150キロ出す」同行先輩同じ190センチ広島アドゥワに続く

 高校野球の秋の陣は、明徳義塾(高知)の明治神宮大会制覇で幕を閉じた。その明徳義塾を四国大会準決勝で苦しめたのが、松山聖陵(愛媛)のプロ注目右腕・土居豪人投手(2年)。190センチの長身から最速144キロの直球を投げ下ろし、同校から16年度ドラフト5位で広島入りしたアドゥワ誠投手(19)に匹敵する逸材と評価を受ける。来春センバツ出場も有力視されており、冬場の成長が期待される。

 スラリとした長身から140キロを超える速球が投げ込まれる。身長190センチ、体重80キロ。手足が長く、投球フォームもしなやかだ。マウンド上で見せる松山聖陵・土居の姿は、見る者に豊かな“伸びしろ”を感じさせる。

 秋の四国大会準決勝。土居は、このあと明治神宮大会を制することになる明徳義塾のプロ注目右腕・市川悠太(2年)と、白熱の投手戦を繰り広げた。立ち上がりは制球に苦しんだものの、長身から投げ下ろす直球は威力十分。落差のあるカーブ、チェンジアップも相手打線を苦しめた。結果は1-3の惜敗。決勝進出を逃した土居は試合後、「いいピッチングはできたと思うけど、力不足です」と悔しがった。

 それでも、この秋に得たものは大きい。チームを秋の県大会初優勝に導き、来春センバツ出場が見える場所まで勝ち上がった。直球の最速は144キロまで伸び、明徳義塾と接戦を演じたことが自信にもなった。196センチ右腕・アドゥワを擁して甲子園初出場を果たした昨夏に続く快進撃。エースは貴重な経験を積んだ。

 長身に加え、フォームも似ていることから、土居はアドゥワと比べられることが多い。荷川取秀明監督も「似たタイプ。同じように育ってくれれば」と期待を寄せる。

 四国大会に視察に訪れたあるプロ球団のスカウトは「2年秋の時点で比べれば、アドゥワより上。ひと冬越えてどれだけ成長するか楽しみ」と評価した。本人にとっても、ドラフト5位で広島入りした2歳上の先輩は大きな存在で、「アドゥワさんはピッチングだけではなく、フィールディングもうまかった。自分もプロを目指しているので、もっと成長したい」と、その背中を追いかけている。

 課題は制球力。明徳義塾戦でも10四死球を与えるなど、コントロールの乱れが痛い失点につながることが多い。全国の強打者との対戦を見据え、さらなる球威アップも大きなテーマだ。

 「下半身を鍛えて、もっと球速を上げたい。夏までに150キロを出すことが目標です」。進化を目指す冬。聖地のマウンドをイメージしながら、未完の大器は厳しいトレーニングに明け暮れる。

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