新コミッショナーに斉藤氏就任 異例の財界出身“経済のプロ”
プロ野球のオーナー会議と日本野球機構(NPB)の定時社員総会が27日、東京都内で行われ、プロ野球の新コミッショナーに日本取引所グループCEOなどを歴任し、今年7月からコミッショナー顧問を務める斉藤惇氏(78)を選任した。任期は2019年11月までの2年間。歴代コミッショナーでは異例の財界出身となり、収益面を含めた球界発展への手腕に期待がかかる。
「プロ野球は文化的公共財で、長い伝統を持つ。プロ野球の隆盛をどうやって、さらに高めていくかが使命の一つと認識している」。斉藤氏はコミッショナー就任後の会見で、そう抱負を述べた。
その経歴からも大きな期待を担っての就任だ。斉藤氏は野村証券副社長をはじめ、東京証券取引所社長、日本取引所グループCEOなどを歴任してきた。
これまでコミッショナーには警察関係や法曹界出身者が多く、経済界出身では第6代の金子鋭コミッショナー(富士銀行会長)以来だ。日本代表の常設化や事業会社の立ち上げを経て、20年の東京五輪へ向けて収益面を含めた発展へ“経済のプロ”である斉藤氏に白羽の矢が立った。
「私の経験と持ち味を生かして貢献したい」と話した斉藤氏。施策の一つに、大リーグ機構(MLB)との友好関係促進を挙げた。
野村証券時代に約10年間の米国勤務があり「(当時のMLBは)人気が落ちていたが今は復活している。その辺を学びたい」とし、共通の友人を通じ「マンフレッド・コミッショナーと会談の機会を持ちたい」と早期のトップ会談も熱望した。
20年の東京五輪へも「国民の願いの実現で非常に重要。真剣に取り組みたい」と意気込む。長年の課題だったビジネス面の発展に取り組む斉藤コミッショナー。その手腕が注目される。