侍・稲葉監督、東京五輪へ今年は学ぶ「時間許す限り球場へ行く」藤浪復活へエールも
野球日本代表「侍ジャパン」稲葉篤紀監督(45)が、デイリースポーツの新年インタビューに応じた。昨年は3月のWBCに打撃コーチとして参加。7月には代表監督に就任し、初陣となった11月の「アジアプロ野球チャンピオンシップ」で優勝を果たすなど、激動の1年を送った。20年の東京五輪へ向け、阪神・藤浪晋太郎投手(23)の復活への期待や、日本ハムのドラフト1位・清宮幸太郎内野手(18)への思いなどを語った。
-2017年は打撃コーチとしてWBCに参加、そして代表監督就任といろいろあったが、昨年を振り返って。
「いろいろ勉強をさせてもらった年でした。私自身も小久保前監督の下で3年間、いい経験をさせていただいた。これが僕のベース。また(東京五輪まで)3年をかけて、自分の監督(像)を作っていかないといけない」
-初陣となった昨年11月のアジアプロ野球チャンピオンシップ(CS)では優勝した。
「僕は選手に助けられましたので。反省するところはたくさんあります。チーム編成も含めてですね」
-このアジアCSのメンバーに経験をどう生かしてほしいか。
「日本代表のユニホームを着て試合をしたという自信は持っていい。彼らはまだ発展途上。失敗を恐れずにやってもらいたいです」
-野手では上林がインパクトを残した。
「ああいう舞台で打てるのは、勝負強さを持っていると思います。長い目で、彼が今後どうなっていくかを見ていきたいですね」
-石崎も合宿から評価を高めていった。
「非常に安心感がありました。力強い球で相手を圧倒する。彼もフル代表になった時には面白い存在になると感じています」
-フル代表でも候補に名前が挙がる選手。
「もちろんです。サイドからあれだけ強い球を投げる特徴は大事。見た目よりも相手が打ちにくい。そういう投手っていると思うんですよ。石崎は、その1人だと思います」
-活躍した若手とは対照的に、昨季は中田ら代表の常連選手が状態を落としていた。
「哲人(山田)とかもそうですね。彼らが今年復活すれば、当然また代表というユニホームを着られる。そういう願いはあります」
-投手ではWBCでも代表入りした藤浪が苦しんでいる。
「彼は非常に頭が良く、まじめな選手。苦しんでいいと思うんですよ。すべてがうまくいくことはない。ケガもありますし。苦しんだ中で、自分というものを作り上げていくと思う。投手として素晴らしいものを持っています。彼は必ず復活する。3年間かけて、そこは見守っていきたい」
-苦しんで、上積みされる部分もある。
「苦しい思いをして、初めて自分が成長できる。藤浪君もそうだと思うんですよね」
-選手選定の基準で一番大事なことは。
「一番は熱ですよ。熱い気持ちを持っているかは大事にしたい。後はバランスですね」
-清宮も注目が集まるが、熱という意味では彼も五輪など代表への思いを語っている。
「そこを目指してくれるのはうれしいです。北海道(の入団会見)で『北海道から世界へ』と色紙に書いていましたが、やっぱり何か持っている。そういうことを口に出して言うのは良いことだと思いますし、野球人として期待したいですね」
-2018年の目標を。
「『ホップ、ステップ、ジャンプ』という言葉がありますけど、いろんなことに挑戦をしていくのが今年だと思います。時間が許す限り球場へ行き、いろんな監督さんからお話を聞いて勉強をする。そういう年にしたいです」