楽天・星野仙一球団副会長が、４日午前５時２５分に膵臓（すいぞう）がんで死去していたことが６日、球団から発表された。７０歳だった。同級生の訃報を受け、東京六大学リーグ時代からのよきライバルであり、また盟友でもあった田淵幸一（７１）、山本浩二（７１）の両氏はショックを隠し切れない様子だった。

　田淵氏は東京都内で取材に応じ「一番の親友。親友が亡くなったショック、悲しさというのはこんなにすごいものかと初めて体験した」と声を震わせた。

　大学時代は明法戦、プロでも中日－阪神戦でしのぎを削った。引退後は阪神でチーフ打撃コーチ、楽天でもヘッド兼打撃コーチとして、星野監督に仕えた。同氏との思い出については「時間もたっていないので。まだ頭に出て来ない」と話して沈黙した。

　山本氏は「突然の訃報に言葉が出ない。あまりにもショックが大きい」と関係者を通じてコメントを出した。田淵氏同様、法大と広島での現役時代は中軸打者として星野投手と対戦。０８年北京五輪では田淵ヘッドコーチとともに、守備走塁コーチとして、同じ日本代表のユニホームを着て、監督を務めた星野氏を支えた。

　昨年１１月と１２月に行われた星野氏の野球殿堂入りを祝うパーティーで会った際の様子が気になっていたとのことで「元気がなく、顔つきや声にも力がなくなっていたので心配はしていた。本当に早過ぎる」と悔しさをにじませた。