巨人・長嶋終身名誉監督「さあ仙ちゃん、来い」と心を燃やすことができた
巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(81)とソフトバンク・王貞治球団会長(77)が6日、すい臓がんのため死去した楽天・星野仙一球団副会長を悼んだ。選手として、監督として星野氏と熱い戦いを繰り広げてきたON。“燃える男”の急逝に、両者はショックを隠さなかった。
“打倒・巨人”を掲げ、不屈の精神で挑んできた男がこの世を去った。選手、監督として常にライバル関係にあった長嶋終身名誉監督は早すぎる別れに、大きな喪失感を隠さなかった。
「あまりにも突然の事で本当に残念でなりません」。この日、巨人を通じて追悼のコメントを発表した。昨年11月に都内で開かれた星野氏の「野球殿堂入りを祝う会」。そこで「『これからも野球界のために力を貸して』とメッセージを送ったばかりです」と悲しんだ。
現役時代は巨人の黄金時代を支えた4番と中日のエース。常に熱い激闘を演じてきた。一方で野球に懸ける情熱、愛情という部分では常にシンパシーを感じてきた。だからこそ親しみを込めて「仙ちゃん」と呼んできた。
「『打倒巨人』を前面に闘志満々でぶつかってきた投手だったからこそ、私も負けずに『さあ仙ちゃん、来い』と心を燃やすことができ、対戦するのが本当に楽しみでした」。対戦成績は111打数26安打で打率・234、7本塁打、20打点。抑え込まれた当時を思い返し、しみじみと言葉を紡いだ。
星野氏は監督としても中日、阪神、楽天でいずれもチームをリーグ優勝に導いた名将だった。病のため04年アテネ五輪で日本代表の指揮を執れなかった長嶋氏の後任として、08年北京五輪を率いた縁もある。「監督としても多大な実績を残され、さらなるご活躍を期待していました。ご冥福をお祈りします」。ミスターは天国に旅立った故人をしのんだ。