日本ハム・清宮 天国へホームラン誓う 亡くなった祖父母、星野さんに届け
日本ハムのドラフト1位・清宮幸太郎内野手(18)=早実=が8日、千葉・鎌ケ谷の勇翔寮に入寮した。年末年始には父方の祖父と母方の祖母の他界や、親交のあった星野仙一氏の訃報と悲しい出来事が相次いだが、天国まで届く特大ホームランを放ち、恩返しする決意を新たにした。また部屋は、1月一杯は寮生活を続けるエンゼルス・大谷翔平投手(23)の隣に決定。黄金ルーキーがいよいよプロの第一歩を踏み出す。
胸が張り裂けそうな悲しみを味わい、清宮はまた強くなった。大好きだった祖父と祖母、そして尊敬してやまない星野氏の訃報。勇翔寮に入寮する直前、18歳の青年は自身が描く大きな夢を語った。
「やっぱり自分の持ち味はホームラン。そのへんをしっかり見せられたらと思います」
両親が共働きだった幼少期、いつも隣にいてくれたのは祖父母だった。字の書き方を練習し、夜になると一緒にテレビの前で野球観戦。「自分の原点となるものをつくってくれました」。思い出は尽きない。清宮は「フェンス際の打球を、ちょちょっと押してくれたらなと思います」と笑みを浮かべて願い、一瞬だけ上を見た。
星野氏の急逝にも胸を痛め、絞り出すように言葉を紡いだ。元々ラグビー・ヤマハ発動機監督の父克幸氏(50)と親交があり、清宮自身も中学1年時に12年の日本ハム-楽天戦(東京ドーム)で始球式を務めた際に初対面。「『幸せな男だな』と声をかけていただいて。ドラフトで指名していただいた恩もありますし、恐縮ですけど天国で自分の活躍を見守ってほしいです」。度重なる試練が清宮の心を奮い立たせる。
入寮に際して持参したのはファーストミットに加え、内外野用の3種類のグラブ。可能性を模索し、部屋が隣同士となったメジャーリーガーにも教えを請うていく。「野球のことでも、プライベートのことでも聞けたらなと思います」。大谷のように、鎌ケ谷から野球界を代表するスターに。遠い空から見守る3人は、必ず後押ししてくれる。