明徳義塾・中隈 長打と小技併せ持つ名脇役 馬淵監督も認める急成長ぶり
「選抜高校野球」(23日開幕、甲子園球場)
タレントぞろいの明徳義塾ナインの中で、馬淵史郎監督(62)が「冬の間に打球が飛ぶようになった」と急成長を認めるのが明徳義塾の中隈廉王(れお)内野手(2年)だ。
175センチ、70キロ。冬場に長打力の向上を目指し、ベンチプレスなどで上半身を中心に鍛えた。憧れのプロ野球選手はソフトバンク・柳田。思い切りのいいフルスイングを取り入れ、自身も「打球が飛ぶようになった。打撃練習で柵越えが増えた」と胸を張る。
一方で、中隈はバントのうまさにも定評がある。昨秋は主に7番打者として公式戦10試合に出場。打率・368をマークし、「1回も失敗がなかった」とチームトップの7犠打を決めた。
入学当初は「一番下手くそだった」が、「みんなよりバント練習の回数を増やした」と中隈。地道な努力を続け、チームの四国大会優勝、そして明治神宮大会制覇に大きく貢献した。
京都市出身。中学3年時に明徳義塾の練習を見学した際に「ノックを見てビックリした。他の学校とは全然違うスピードとうまさだった」と守備力の高さに感動を覚え、入学を決めたという。
「秋春連覇」を狙うセンバツ。馬淵監督の頭の中には、長打力と小技を併せ持つ中隈を2番で起用するプランもある。
チームは6季連続の甲子園だが、中隈にとっては初の聖地。「2番は自信があります。長打でチャンスメークして、バントの場面では確実に決めたい」。明徳野球に欠かせない名脇役は、夢の舞台で大暴れをもくろんでいる。