楽天・則本、副会長の故郷で恩返しの0封 4回85球も耐えた
「オープン戦、楽天4-2西武」(10日、倉敷マスカットスタジアム)
エースは苦しんでも本塁を踏ませなかった。星野仙一球団副会長の故郷・倉敷でのマウンド。楽天・則本昂大投手は二回に3四球を与えるなど4回85球と球数は増えたが、無失点に抑えるエースの矜持(きょうじ)を示した。
「プロの世界に入ることができたのも、今、自分がここにいるのも星野さんのおかげ」。その思いを胸に腕を振った。2年ぶり自身5度目の開幕投手を務める今季。本番を約3週間後に控え、ルーキーイヤーの2013年に自らを大役に抜てきしてくれた恩師のことを思い出した。
この日は微妙な判定もあって4四球。それでも則本は「0で抑えられたのは良かった。差し込んだ場面もあって、個人的にはやりたいことはできた。どうやったら審判に手を挙げてもらえるかが課題」と振り返った。
球場のスピードガンは自己最速の158キロを更新する159キロが表示されたが、「誤作動も多いと思う」と意に介さなかった。
東北に本拠地を置くチームの一員として忘れてはならない東日本大震災から、11日で7年。「当時、僕はまだ楽天にいなかったですが、この球団に拾ってもらって、東北の一員として戦っていく上で忘れてはいけない」。さまざまな思いを背負い、開幕へ進む。