明徳義塾・馬淵監督“二刀流”中央学院・大谷を動画で研究 敵将たじろがせた
「選抜高校野球」(23日開幕、甲子園球場)
開会式リハーサルが22日、甲子園球場で行われた。リハーサル前に対戦校同士の監督が行う対談では、明徳義塾・馬淵史郎監督(62)が、初戦で対戦する中央学院の“二刀流”エース・大谷拓海投手(3年)をYouTubeを使って分析していると明かすなど、相手の相馬幸樹監督(38)をたじろがせた。
開会式リハーサル前に行われた監督対談。報道陣から中央学院の“二刀流”大谷の印象を問われると、馬淵監督は思案顔でつぶやいた。
「ビデオというか、あれ…あれで見たんよ…」
すかさず「YouTubeですか?」と相馬監督。
「そう、それ!」
中央学院とは昨秋の明治神宮大会2回戦で対戦。5-3で勝ったが、大谷には左翼席へ2ランを浴びた。その直接対決を含め、秋の試合映像は徹底分析済み。加えて馬淵監督は、ひと冬を越えて成長した大谷の最新動画をYouTubeでチェックしたという。
その上で「秋より肘が上がって、上から投げてるね」とフォームの変化を指摘。さらに「あのタイプは上から投げると球が高くなる。ウチの市川もそれで元に戻した」と、制球面に攻略の糸口があると示唆した。これには相馬監督も苦笑いを浮かべるしかなかった。
昨年、還暦を過ぎて“スマホデビュー”した馬淵監督。伝統的な手法に加え、ITも駆使した抜け目ない情報収集で相手を丸裸にする。
開会式リハーサル後、ナインは大阪・枚方市内のグラウンドで調整。エース・市川悠太投手(3年)の仕上がりは順調だ。中央学院戦では馬淵監督の甲子園通算50勝もかかる。「あと2日、しっかりと準備しますよ」。百戦錬磨の将は不敵な笑みを浮かべた。