近江“滋賀ナンバー1”の意地星 “最も近いライバル校”彦根東勝利に発奮
「選抜高校野球・2回戦、近江8-5松山聖陵」(28日、甲子園球場)
2回戦3試合が行われ、滋賀県彦根市内の直線距離で約1キロに位置する近江と彦根東が初戦を突破した。初の複数出場となった滋賀県勢は3校中2校が3回戦へ進み、甲子園の春夏通算50勝を挙げた。
何としても、負けるわけにはいかなかった。近江は1点を追う二回、主将・中尾雄斗内野手(3年)の2点適時打を含む単打6本の攻勢で、松山聖陵の好投手・土居から一挙5点を挙げた。終わってみれば13安打8得点。しかし中尾は気を緩めることなく「彦根東より先に負けたくない。僕たちが滋賀の野球をリードしている」と胸を張った。
彦根東とのアベック勝利で、滋賀県勢春夏通算50勝。甲子園に向かうバスの車中、第1試合で、同じ彦根市内の彦根東が慶応を下したのを見届けた。八回の3ランではどよめきが起こり、“最も身近なライバル”から大きな刺激を受けた。
彦根城を挟み、直線距離で南北約1キロに位置する両校は、毎年6月にメンバー外3年生の交流試合をする間柄。昨夏は滋賀大会決勝で対戦し、中尾のエラーが決勝点につながり1-4で敗れた。
新チームで主将になった中尾は「僕みたいにエラーしないように。それに、打たないと勝てないぞ」と、自らの教訓を仲間に伝えることからスタートした。そして半年後につかんだセンバツ1勝。「打ち勝つ野球で、新チームからの目標が達成できた」という手応えと同時に「彦根東より先に負けたくない」と闘志も再確認した。
互いに準決勝まで勝ち進めば、彦根勢対決が実現する。「できれば面白い。(彦根東の)高内と、また対戦したいなと話していたので」と中尾。昨夏のリベンジマッチを心に描いた。