大阪桐蔭・藤原、スカウトから最高評価「トリプル3期待」 センバツ出場36校が登場
第90回記念選抜高校野球大会に出場している全36校が登場した。今秋ドラフト候補となる3年生が、一冬を越えて初めて迎えた全国大会。各球団スカウトの話を総合すると、最も高い評価を受けたのが、大阪桐蔭・藤原恭大外野手(3年)だった。
右膝に痛みを抱えながらのプレーだったが、2回戦・伊万里戦は2安打。右前打で二塁を陥れる好走塁も見せた。日本ハム・山田スカウト顧問は「走攻守、全てそろっている。うちの浅間が1年目から出たけど、浅間(大基)より力強い」と評価。オリックス・長村球団本部長は「打球に力があるし、脚力もある。外野手として非常に高いレベルにある」と話し、中日・中田アマスカウトディレクターも「チームの軸になれる。トリプルスリーを期待するような選手」と絶賛した。
遊撃手を評価する声も多く、大阪桐蔭・根尾昂内野手(3年)、明秀学園日立・増田陸内野手(3年)、日大三・日置航内野手(3年)、延岡学園・小幡竜平内野手(3年)らの名前が挙がった。投手も野手もこなすドラフト1位候補・根尾は藤原と同等の評価を受け、野手として期待する声が多かった。
一方で今大会はスケール感のあるホームランバッターが少なかった。智弁和歌山・林晃汰内野手(3年)、近江・北村恵吾内野手(3年)、日本航空石川・上田優弥外野手(3年)、東海大相模・森下翔太外野手(3年)らの名前は上がったが、昨年の早実・清宮(日本ハム)、履正社・安田(ロッテ)のような評価を受けた大砲はいなかった。
投手では大阪桐蔭・柿木蓮投手(3年)、明徳義塾・市川悠太投手(3年)、松山聖陵・土居豪人投手(3年)、創成館・川原陸投手(3年)らの名前が挙がった。
中日・中田スカウト部長は「柿木が非常に良くなった。スピードは出るし、キレ、質がよくなった」と話し、楽天・仁村スカウト副部長は「市川が素材としたらすごい。あの真っすぐは(高校生では)打てない。(今は)スライダーだけで抑えられるけど、プロになったら落ちるボールも必要」と振り返った。
“二刀流”で注目を集めた中央学院・大谷拓海投手(3年)は打者として評価する声が多かった。また、広島・苑田スカウト統括部長は進学校の彦根東・増居翔太投手(3年)の名前を挙げ、「守備もうまいし、投手らしい投手」と評価した。
ただ、投手は抜群の評価を受ける投手は少なかった。あるスカウトは「春は例年のことだけど、秋からの上積みが見られない投手がいた。甲子園で力を出し切れずに終わった候補の投手は、夏までの伸びしろに期待したい」と今後の成長に期待した。
投手では2年生が高評価を受け、1回戦・由利工戦で最速147キロを記録した日大三・井上広輝投手や、星稜・奥川恭伸投手に期待する声が相次いだ。井上については「来年の目玉になる可能性がある」と話すスカウトもいた。