花巻東 九回まで無安打も延長十回サヨナラ勝ち 増居の投球スタイル変化に手こずる
「選抜高校野球・3回戦、花巻東1-0彦根東」(31日、甲子園球場)
花巻東(岩手)は、彦根東(滋賀)の増居翔太投手(3年)に九回まで無安打無得点に抑えられたが延長十回、サヨナラ犠飛で2009年以来のベスト8に進出した。
延長十回、先頭の紺野留斗外野手(3年)がチーム初安打となる右前打で出塁。続く代打・八幡直稀外野手(3年)が四球、上戸鎖飛龍内野手(3年)は左前打で無死満塁とした。ここで藤森晃希内野手(3年)がセンターへ犠飛を放ち、白熱の投手戦にケリをつけた。
藤森は「打席に入る前、監督から『思い切って行け』と言われた。大振りせず、逆方向へ抜こうと思った」と振り返った。
終盤を過ぎても、増居のピッチングに手を焼いた。「(研究していた)初戦のピッチングとは違う配球。ベルト付近の高さの球を狙うように指示された」と対策していたが、なかなか手が出なかった。
佐々木洋監督(42)も「(初戦は)あんなに変化球を投げていなかった。今日は左打者には変化球もあったが、それでもまっすぐが多かった。選手たちには『何とか、後半だよ』と言い続けた」と、ピッチングスタイルを変えてきた増居に食らいつこうと必死だった。
初安打を放った紺野も「チェンジアップでタイミングがずらされた。ストレートのタイミングで待っていたが手が出なかった。チェンジアップの後のストレートは速く感じた」と、我慢の打席だった。延長十回の右前打は「よっしゃー!と思った。ストレートが少し高くなったのを打った」と、会心の表情だった。